この記事でわかること
沖縄のCODEVISIONが、自社の領収書処理・メール対応・レポート作成・SNS投稿・問い合わせ対応を、AIの一次処理と人の確認にどう分けたかを業務ごとに紹介します。削減時間の数字ではなく、そのまま真似できる流れを書きました。
この記事の要点
- CODEVISIONは、自社の領収書処理・メール対応・レポート作成・SNS投稿・問い合わせ対応を、AIの一次処理と人の確認に分けて回しています。
- 変わったのは「ゼロから作る」作業が「AIの下書きを確認して直す」作業になったことです。判断と最終確認は人が担当します。
- 同じ進め方は、記帳代行・事務代行としてRICCA BPO(業務代行)で提供しています。自社で進めたい方にはAIコンサルティングとMOAI CAMPがあります。
毎月の経理作業、何時間かかっていますか?
領収書の整理、請求書の処理、帳簿への記入、メールの返信、報告書の作成……。中小企業の経営者にとって、こうした事務作業は「やらなきゃいけないけど、本業じゃない」仕事の代表格です。
特に沖縄の中小企業では、専任の経理担当を雇う余裕がなく、経営者自身が夜中まで帳簿と格闘しているというケースが少なくありません。
私たちCODEVISIONも、以前は同じ状況でした。月末に領収書の山と向き合い、似たようなメールに毎回ゼロから返信し、毎月同じ形のレポートを毎回イチから作っていました。
この記事では、私たちが自社の経理・事務のどこをAIに任せ、どこを人が担当するように変えたのか、業務ごとの流れをそのままお伝えします。
先にお断りしておくと、この記事に「何時間減った」「何%削減」という数字は書いていません。業務の内容と量によって結果はまったく変わるので、数字よりも「どう分けたか」を持ち帰ってもらう方が役に立つと考えたからです。
「経理は経営者がやるもの」という沖縄の現実
沖縄の中小企業には、ある共通した風景があります。
日中は現場で汗を流し、夕方から事務所に戻って領収書の山と向き合う。夜遅くになってようやく帳簿をつけ終わる。決算や確定申告の時期は、丸一日が事務作業だけで潰れる日もある。
これは私たちの過去の姿でもあり、沖縄で出会う多くの経営者のリアルでもあります。
なぜこうなるのか。理由はシンプルです。
- 専任の経理スタッフを雇う余裕がない
- 外に出すにも、何をどこまで頼めるのかがわからない
- 「自分でやれば無料」だと思っている(でも実際は、経営に使えたはずの時間を払っている)
特に3つ目は見落とされがちです。経営者が事務作業に使っている時間は、新しい売上を作る時間、顧客と向き合う時間を削って捻出されています。
外に出す場合の選択肢と料金の考え方は、別の記事で沖縄県内の公開料金を調べてまとめています。
結論:AIに任せたのは「下書き」と「読み取り」、人に残したのは「照合」と「判断」
私たちが自社でやったことを一言でまとめると、「ゼロから作る作業をAIの一次処理に置き換え、人は確認と判断だけをする」という分け方です。
| 業務 | AIが先にやること | 人がやること |
|---|---|---|
| 領収書・請求書の処理 | 画像から日付・金額・取引先を読み取り、仕訳の候補を作る | 元資料と候補を照合し、承認してから会計ソフトに登録する |
| メール対応 | 受信内容と過去のやり取りをもとに返信の下書きを作る | 内容を確認・修正して送信する。重要な案件は一から書く |
| 報告書・レポート作成 | データを取り込み、定型フォーマットに数値と要約を流し込む | 数字の背景と来月の方針など、判断が必要な部分を加筆する |
| SNS運用 | 月初に投稿案とハッシュタグを一括で出す | 自社の口調に直し、載せてよい内容か確認して予約投稿する |
| 問い合わせ対応 | よくある質問に自動で答える | AIで答えられない質問と、契約・金額に関わる返答を担当する |
共通しているのは、AIの出力をそのまま外に出さないことです。送信、支払い、会計ソフトへの登録といった「結果が外に出る操作」の手前に、必ず人の確認を置いています。
具体的にどうやったのか:業務別の流れ
「分け方はわかった。でも、具体的にどうやるの?」という方のために、業務ごとに流れを書きます。
1. 領収書・請求書の処理
以前:紙の領収書をスキャンし、手入力で会計ソフトに転記。仕訳も手動。月末にまとめて処理するため、抜け漏れが起きやすい。
今:領収書や請求書を撮影して共有フォルダに入れると、文字認識(OCR)が日付・金額・取引先を読み取り、過去の仕訳や取引先の一覧から仕訳の候補を作ります。人は元資料と候補を並べて照合し、承認したものだけを会計ソフトに取り込みます。読み取りが不明なもの、資料が足りないもの、重複の疑いがあるものは「要確認」に分け、人が判断します。
ポイント:
- 科目・取引先・税区分の対応表を先に整えてから始める。ここが曖昧だと候補の精度が上がらない
- AIの候補を承認なしで会計ソフトに入れない。最初は全件確認し、正解と照らし合わせてから自動化の範囲を決める
- 最初の設定に時間はかかるが、整えたあとの毎月の作業は「確認する」だけになる
※税務申告・税務相談は税理士の専門業務のため当社では承っておりませんが、ご希望の方には信頼できる税理士をご紹介します(ご契約は税理士の先生と直接となります)。社会保険の手続きも同様に社労士をご紹介します。
2. メール対応
以前:取引先や顧客からのメールを1通ずつ読み、返信を手打ち。似たような問い合わせにも毎回ゼロから書いていた。
今:AIがメールの内容を読み、過去のやり取りとテンプレートをもとに返信の下書きを作ります。お礼、見積り依頼への返信、日程調整など、パターン化できるメールは下書きを確認して送るだけになりました。重要な案件や、相手の事情を踏まえる必要があるメールは、これまで通り人が一から書きます。
ポイント:
- 自分の口調や表現の癖を例として渡すと、違和感の少ない下書きになる
- 最終確認は必ず人がやる。AIの下書きを読まずに送らない
3. 報告書・レポート作成
以前:売上データや業務進捗を集計し、文書ソフトで手作業レポート。毎月同じフォーマットなのに、毎回イチから作っていた。
今:スプレッドシートのデータとテンプレートをつなぎ、AIが数値を取り込んで定型フォーマットのレポートと要約の下書きを作ります。自社で運営している宿泊施設では、予約データの収集とレポート作成を毎日自動で動かしています。人は「この数字の背景」「来月の方針」のような、判断が必要な部分だけを加筆します。
4. SNS運用
以前:投稿文をゼロから考え、画像を選び、ハッシュタグを調べ、投稿スケジュールを管理。ネタ切れとの戦いが毎日。
今:月初にAIで投稿案を一括で出し、人が自社の口調に直して予約投稿します。「沖縄の中小企業向け」「季節のネタ」のような前提を渡すだけで、たたき台はすぐに出てきます。
ポイント:
- 載せてよい情報か(お客様の写真、未発表の情報、実績の数字)は人が確認する
- 投稿案に「架空のお客様の声」のような作り話を混ぜない。信頼を落とすのは一瞬です
5. 問い合わせ対応
以前:電話やメール、LINEで寄せられる問い合わせに都度手動で対応。営業時間外は翌日に持ち越し。
今:よくある質問を整理してAIに持たせ、Webサイトとline公式アカウントで自動応答にしました。営業時間外でも一次回答は返ります。AIで答えられない質問や、契約・金額に関わる内容は人に引き継ぐ流れにしています。
ポイント:
- 最初から完璧な回答を目指さず、答えられなかった質問を見ながら回答を足していく
- 「AIが答えてよい範囲」を決めておく。料金の約束や契約条件の回答は人が担当する
費用の考え方
私たちが使っているのは、生成AIの有料プラン、文字認識やデータ連携に対応した会計ソフト、問い合わせ自動応答のツール、SNSの予約投稿ツールです。いずれも月額で使えるもので、金額は各社の公式サイトで変わるため、ここでは書きません。
費用の見方として大事なのは、ツール代そのものより「設定に使う時間」と「確認に残る時間」です。最初の設定(対応表づくり、テンプレートづくり、FAQの整理)にはまとまった時間がかかります。そこを自社でやるか、外に任せるかで、かかる費用の性質が変わります。
変わったこと
数字では書きませんが、自社で変わったことは3つあります。
- 月末に作業がたまらなくなった。領収書は入れた時点で候補ができるので、月末の「山」がなくなりました
- 「ゼロから書く」時間が「確認して直す」時間になった。メールもレポートもSNSも、着手のハードルが下がりました
- 人がやるべきことがはっきりした。照合、判断、相手への配慮。ここは今も人の仕事です
導入で失敗しないための3つのコツ
私たちも最初からうまくいったわけではありません。試行錯誤の中で見えてきたポイントを共有します。
コツ1:一気にやらず、1つの業務から始める
「全部AIにしよう」と意気込むと、設定に時間がかかりすぎて挫折します。まずは一番負担が大きい業務を1つだけ選びます。私たちの場合は「メール対応」から始めました。
コツ2:完璧を求めない
AIの出力が100点である必要はありません。「自分で直す前提」で使い始めると、心理的なハードルが下がります。
コツ3:最終チェックは必ず人がやる
数字の間違い、微妙なニュアンスのズレ、取引先への配慮。こうした部分は必ず人の目で確認します。AIに任せる部分と人がやる部分の線引きを先に決めることが、長く運用するコツです。安全な使い方の考え方は、生成AIの安全な使い方|沖縄の企業が知っておくべきリスクと対策にまとめています。
よくある質問
Q:会計ソフトは何を使っていれば対応できますか?
A:データの取り込みに対応した会計ソフトであれば進め方は同じです。使っているソフトと契約によって連携できる範囲が違うので、最初に確認します。
Q:AIに領収書を読ませて、そのまま帳簿に入れてよいのですか?
A:私たちはそうしていません。AIが作るのは候補までで、承認した仕訳だけを会計ソフトに登録します。税務判断が必要なものは税理士に確認します。
Q:経理の知識がなくても始められますか?
A:科目や取引先の対応表を整える最初の段階は、経理がわかる人と一緒に進めるのが安全です。そこが整えば、毎月の作業は確認が中心になります。
Q:自社で全部やるのと、外に任せるのはどちらがよいですか?
A:設定に時間を使えるなら自社で、使えないなら外に任せるのが現実的です。どちらが合うかは、業務の中身と量を伺ったうえで率直にお伝えします。
自分でやるか、任せるか
ここまで読んで「自分もやってみたい」と思った方には、2つの選択肢があります。
選択肢1:自社で進める → AIコンサルティング/MOAI CAMP
自分たちでAIを使えるようになりたい会社には、御社の担当者と一緒に業務の仕分けと設定を進めるAIコンサルティング(月15万円〜)があります。まず使い方から身につけたい方には、本部町で開催する2日間の集中講座MOAI CAMPをご案内しています。
選択肢2:設定も日々の処理も任せる → RICCA BPO(業務代行)
「自分でやる時間も気力もない」という方には、記帳・請求書発行・メールの一次対応などを、AIと人のチームが継続して代行するRICCA BPO(業務代行)があります。この記事で書いた流れを、御社の会計ソフトやメールに合わせて設計し、日々の処理まで担当します。料金は1領域 月20万円〜で、「まずは1つの業務だけ」からでも始められます。
まとめ
- AIに任せたのは「読み取り」と「下書き」。人に残したのは「照合」と「判断」
- 結果が外に出る操作(送信・支払い・帳簿登録)の手前には、必ず人の確認を置く
- 最初の設定にまとまった時間がかかる。そこを自社でやるか任せるかが分かれ目
「自分もやってみたいけど、何から始めればいいかわからない」という方は、まず無料の個別相談で現在の業務を聞かせてください。
RICCA BPO(業務代行)の詳細を見る / MOAI CAMPの詳細を見る
この記事は、CODEVISIONが自社の経理・事務で実際に行っている業務の分け方をもとに書いています。効果は業務内容や環境によって異なります。
その定型業務、AIと人に任せるなら
RICCA BPO(業務代行)の対象業務と料金を確認する
メール・顧客対応、マーケティング運用、経理財務などを、仕組みづくりから日々の完了まで支援します。
企業のAI導入は CODEVISIONの4サービス/ 個人のAI学習は AIスクールMOAI
